デザイナー・プロフィール
Vilhelm Hansen ヴィルヘルム・ハンセン
『ラスムス クルンプ』シリーズを世に送り出したヴィルヘルム・ハンセンは1900年3月6日、デンマークの首都コペンハーゲン市に生まれました。育ったのは同市内南東部の島、アマー島。学校を卒業後、14歳で石版画家ギスラソン・ペーダーセンに師事。17歳でフリーのイラストレーターとして独立しました。1924年に後の伴侶となるカーラ・イェンセンと出会い、その後二人は絵本作家として文章とイラストを共作していきます。1930年のおわり頃、ハラング・トクスヴィク広告代理店の社員となったヴィルヘルムは、車の絵の腕前をヘンリー・フォードから太鼓判を押され、またエッソのしずく形のキャラクターデザインを手がけました。第二次世界大戦を経て、1951年11月17日、大のくまが大好きだったヴィルヘルムが生み出したラスムス クルンプは、20世紀前半に娯楽メディアとして大きな影響力を持つ新聞のカートゥーンとして登場し、一躍注目を集めました。

ラスムス・クルンプとは
誕生以来もう半世紀以上経ち、母国デンマークでは「くまのキャラクターといえば彼!」というほど知られているのに、日本ではまだほとんど知られていない、北欧ローカルの絵本キャラクター、ラスムス クルンプ。赤い水玉もようの吊りズボンに、青いスキー帽がトレードマークの、心優しいこぐまの男の子です。
ラスムス クルンプは新聞出身です。1951年11月17日のベアリングス社の夕刊に初登場してから、瞬く間に人気者となり、わずか1年後には62もの新聞に掲載されるほどになりました。しかし、生みの親のヴィルヘルム・ハンセンの没後、版権が共作者の妻カーラの手ではなく第三者に渡ってしまったため、多くの人に愛されたこの名作は日の目を見ない不遇の時を過ごすこととなりました。
しかし2007年、デンマークの大手出版社エグモント・パブリッシングが版権を取得し、改めてラスムス クルンプの魅力を世界に発信する用意が整い、ようやく日本にもお迎えすることができました。
『ラスムス クルンプ』シリーズには、一人の悪人も登場しません。たとえラスムスたちの乗った船メアリー号が沈没してもキャラクターたちの一人も失われることはありません。くま、あざらし、ペンギン、カメ、ペリカン、オウム。種族のまったく違うどうぶつたちが同じ船に乗って、力強い線で描かれた安定した地平線のある世界で一つの冒険を共有する『ラスムス クルンプ』のまあるい世界。そこには戦時中、国威発揚のために銃器や兵器を描く仕事を一切せず、清貧を貫いたヴィルヘルムの平和への願いがそっと包み込まれています。
商品スペック
■インクのかすれやはねがある場合がありますが、不良品ではありません。
■カードはOPP袋に入れてお届けします。