カテゴリー別アーカイブ: PLASTEX (プラステックス)

「好きなことばかりやってるよ」と笑うアールニオ御大の作るもの

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz

夏が近づいてきたし、部屋を植物園みたいにしたいなーと思いながら家の中をうろうろしていたら、普段あまり行かない場所に良いポジションを発見!寝転がってみたらとっても気持ちよかったので、「今日からここで寝る!」と宣言しました。別に必ずしもベッドで眠る必要はないんだったな、と固定観念を反省しつつ。もっと自由であっていい。

life with green

tiny botanical garden

 

毎日の水やりにはエーロ・アールニオ御大デザインのジョウロとスプレーを使っています。キレッキレのデザインセンスをベースに、ユーモアをたっぷり込めて作られた御大のプロダクトは、抜群の安定感と高揚感を感じさせてくれて本当にたまらない。毎日使う度に「ああ、やっぱりいいなあ」と思わず口元・目元がゆるんでしまうんだから幸せです。

この前のめりになっちゃってるのがかわいい。どこか愛嬌があるんですよね。

Wateringcans look green

Wateringcans look their target

 

キレッキレではあるけれどデリケートではないので、管理はラフで大丈夫なのもいいところ。毎日使うものなので、細心の注意を払って取り扱わなくてはならないのはちょっと疲れちゃいますから。

their position

their position

 

今年(2016年)で84歳を迎えられるエーロ・アールニオ御大は、「好きなことばかりやってるよ」と笑います。新しいものへのチャレンジと、クオリティへのシビアな姿勢をもってして作りだされているプロダクトを前に、こんなことをチャーミングな笑顔で言われたら、「本当に最高!」としびれるほかありません。私などはものを作るとき、「自由に!もっと自由に!」と念じる必要があるのですが、御大はきっととびきり自由でいられるんでしょう。強い人です。

Eero Aarnio

Eero Aarnio

エーロ・アールニオは、フィンランドを代表するデザイナーでありながら、彼のクリエイションは「いわゆるフィンランドデザイン」とはかけ離れている、という稀有な存在です。そしてまた、彼は確かにデザイナーでありますが、その造形はどこか彫刻的です。(余談ですが、私の母校でも彫刻学科棟の中庭にごろんごろんと「パスティル」チェアが置いてありました。今度写真を撮ってきますね。)

アールニオの名を知らしめたのは、やはり1963年に発表された「ボール」(別名グローブ)チェアでしょう。最近でも、2002年公開の映画『メン・イン・ブラック2』のジャケットで、印象的に使われています(ボール形でなく縦長の卵形バージョンですが)。元々彼は伝統的な技術と天然素材で制作を行っていましたが、自身の事務所設立の年に試作した、新素材ファイバーグラスの特性をふんだんに盛り込んだ遊び心たっぷりのチェアが注目を浴び、彼のその後を方向づけました。その契機となったチェアこそボールチェアです。このチェアがあったからこそ、私が今こうして御大のジョウロを手にすることができるのですね。

Pony looks his father

Pony looks his father

(↑ポニーが見てるのが、ボールチェアです。座っているのはもちろんアールニオ御大)

どこか未来的な印象のこのチェアを見て、1968年発表の映画『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督)を連想される方も多いでしょう。この映画の家具デザインはフランス人デザイナーのオリヴィエ・ムールグが担当しています。ムールグと並び、ネオ・モダニズムやオービット・デザインにカテゴライズされるデザイナーに、デンマークのヴェルナー・パントンがいます。彼はアルネ・ヤコブセンの事務所で働き、のちに名作「パントン・チェア」を産み出します。デンマークのパントンに、フィンランドのアールニオ。なんて活気に満ちた時代でしょうか!

北欧のデザイン界のこの活気は、1930年のグンナール・アスプルンドによるストックホルム博覧会が契機になったことは間違いない、ですがこれは長くなるのでまたの機会に。しかし、ロココやゴシックの色濃い時代に、あんなに軽やかな素材のボール形チェアが登場した時は、人々はさぞかし爽やかで新鮮な風にビュン!と吹かれたことでしょうね。想像しただけで気持ちいい。

ボールチェアは100万円オーバーですが、ジョウロだったら2千円台で買えちゃうので、アールニオ御大のユーモアと自由さを感じる手だてとしては、おそらく最も安価でお手軽でおすすめです。

 

PLASTEX designed by エーロ・アールニオ
⇒ http://www.hokuouzakka.com/products/list.php?maker_id=121