月別アーカイブ: 2016年7月

陶器ひとつとってみても。

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「良いものを作るためには、目利きになれ」と何度も何度もたくさんの人に言われてきました。主体的に作り、客観的に評価する。その繰り返しです。

評価するためには、知識と経験が必要です。いま私は、バイヤーとして雑貨の買付をしていますが、それもまったく同じ、目利きの能力が要求されます。目利きは、優れた作り手が生み出すファンタジーを、ものすごく高解像度で見ることができるのです。それを録画して上映するのが、この場所だと思っています。……エンコード失敗してないといいんですけれど。

 

rorstrand

Rorstrand “Titus” by Olle Alberius (1960’s)

 

北欧の陶器・ガラス産業は、第二次大戦前、他国を追う形で始まりました。1726年にスウェーデン商工会議所がストックホルムに設立した陶器工場からスタートしたRorstrand(ロールストランド)も、まずは他国の陶器を参考に経験を重ね、そして1930年、ストックホルム博覧会にて発表した「スウェディッシュ・グレイス」で、ブランドとしての独自の個性を確立しました。

やっぱりアスプルンドが建築主任を務めたストックホルム博は、建築や家具のみならず、陶器の世界でもひとつの契機になっているんですねえ。食卓にも機能主義がもたらされたのです。革命的。

 

Lisa Larson

GUSTAVSBERG “Gottfrid” by Lisa Larson

1827年には、陶磁器工場GUSTAVSBERG(グスタフスベリ)がスタート。1839年にはおなじみの碇のロゴマークが出来上がり、ブランドとしての個性を確立します。かなりこってりどっしりしたものを作っていましたが、1937年に入社したスティグ・リンドベリの軽やかでしゃれっ気のあるデザインは新風を巻き起こしました。1954年には、リンドベリに誘われリサ・ラーソンも入社します。

彼女の作る作品の、素朴で愛嬌があって、でも決して媚びない凛とした印象は、「自由」のイメージに直結します。

 

arabia

Arabia “Anemone” by Ulla Procope (1970’s)

Arabia(アラビア)は、ロールストランドのセカンドラインとして1873年に誕生し、その魅力が花開くのは早く、1900年のパリ万博。その後どんどん大きくなって、2002年にはiittala(イッタラ)という大きなグループとなりました。ロールストランドも1990年には傘下となり、かつては子会社だったアラビアのサブブランドとなって今に至ります。

ちょっと皮肉な感じですね。

 

知識があると、同じものを目で見ていても、頭の中での世界の広がり方が違います。全然「見え方」が違います。より遠くへ、より深くへ、自由にあちこちで遊ぶことができます。知識があるというのは、より楽しく遊べるということ。なので私は学びます。なにしろ楽しいことが大好きです。

 

今日ご紹介した陶器はすべて私物のヴィンテージなので、うちのお店でのお取扱いはないのですが、ヴィンテージ陶器をリサイクルして作られるジュエリーSAGEN(セーゲン)をご紹介します。いつでも身に着けられるなんてほんとファンタジック。

SAGEN(セーゲン) http://www.hokuouzakka.com/products/list.php?maker_id=167