ダニッシュ・デザイン熱に浮かされてたら、目の前にマッツ・ミケルセンが現れた。

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今年は日本とデンマークの国交150周年記念のアニバーサリーイヤー。日本国内でたくさんのデンマークにまつわるイベントが催されるワクワクする一年です。

4月19日、日本デンマーク国交150周年親善大使の島崎信先生の講演会『暮らしとデザイン – デンマークと日本』(主催:日本デンマーク協会)に行き、デンマークの歴史やモダンデザインについて、島崎先生のご専門である椅子をメインに貴重なお話をうかがいました。そのうち、ふつふつとダニッシュ・デザイン熱が沸騰して、いまにも爆発しそう!状態に。

そこへ、翌4月20日、デンマークのビールメーカーCarlsbergが公開したイギリス向けのプロモーション映像を観たところ、もうもう「これぞダニッシュ・デザインだ!」というアイコンが贅沢に盛りだくさんで、コレはちょうどよいぞ、と。素晴らしいタイミングに感謝しつつ、参考資料として引用させてもらいながら、デンマークの近代の歴史や建築、デザインについて書いてみようと思います。(Carlsbergによる、PRに関するリリースはこちら


メインキャラクターを演じるのはデンマーク人俳優のMads Mikkelsen (マッツ・ミケルセン)。このプロモーションの対象であるイギリスの消費者も納得するような「十分な人生経験と知恵を持った現代のデンマーク人哲学者」としてキャスティングされたそう。体操出身でタバコとビールを愛して休暇は南国で過ごす彼は、まさにデンマークのアイコンと呼ぶにふさわしい人物。彼が水先案内人としてRasmus Gjesing(Cykelmageren)の自転車でコペンハーゲンを縦横無尽にめぐりながら、デンマークが「世界で最も幸せな国」と言われる所以”THE DANISH WAY”に迫る、という構成です。(すみません完全に余談ですが、私はマッツの大ファンです)

 

“Marmorbroen” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

さて。ではまずは、Marmorbroen(大理石の橋)と呼ばれ、その名の通りノルウェー産の大理石で作られているバロック・ロココ調の橋を取り上げます(上図)。このエリアは、1728年10月20日に起きたコペンハーゲン大火災で大打撃を受けました。その再建プロジェクトを任されたのが、Nicolai Eigtved(ニコライ・エイトヴェド)。のちにデンマーク王立芸術アカデミーの初代校長に就任するこの大建築家は、フレデリクス地域一帯をエレガントなロココ調をベースとした建築で一新し、今のコペンハーゲンの中心地の景観、ひいてはコペンハーゲンという都市のイメージを作り上げました。後述の、ニコライが初期設計を行ったFrederiks Kirke(フレデリクス教会)も、この橋と同様にMarmorkirken(大理石の教会)と呼ばれています。

 

“astrup Søbad ( Kastrup Sea Bath )” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

“astrup Søbad ( Kastrup Sea Bath )” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

優れた橋のデザインが生み出されるのは、コペンハーゲンが水の都であることと密接に関係しています。水との暮らしはまさにこの都市ならではで、他所では成り立たないユニークな施設があります。その代表格が、Kastrup Søbad ( Kastrup Sea Bath )(上図)。これはコペンハーゲン駅から車で20分くらいの場所にある、市民プールです。考えられますか、こんなファンタジックな公共施設!しかも都心部からすぐ近くにあるなんて、もう考えただけで胸いっぱい、ここでの暮らしを考えて思わず笑顔になってしまう。(私が円形の建築物に大層弱いというのもあります)そして日本の簀垂れに似ているからか、どこか親近感を感じます。

 

“Amalienborg” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

そして前述のフレデリクス地域に話を戻しますが、このあたりの建築のロマネスクとゴシックが入り混じったような、そして他国の同様式の建築とどこか異なる様相は、なんだか妙に爽やかで、いつ見てもふわふわと不思議な気持ちにさせられます。上図で、案内人の前に広がるのは、女王の住まうAmalienborg宮殿を臨む、特徴的な八角形の広場。正面に見えるのはフレデリク5世の像、目線の先はFrederiks Kirke(フレデリクス教会)です。

 

“HYGGE” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

閑話休題。今いろんな国で興味津々で、本もベストセラーになってしまっているデンマーク語”HYGGE”(ヒュッゲ)。言葉で説明されてもわかったようなわからないような……といったところですが、映像で具体例を観られるとちょっと雰囲気がわかりますね。自然の中で暖かな火を焚き、気の置けない友人たちとくつろぐ人々のテーブル、そう、たとえば上図のような。なるほど、なごやかで楽しそうな雰囲気は画面越しにも居心地の良さを感じます。お行儀悪く自転車でテーブルを横断しちゃってちょっとびっくりしつつ、それはそうと、この雰囲気こそが、”HYGGE”(ヒュッゲ)。

 

“God stol” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

さて、ここから、最も話したかったダニッシュ・デザイン・ファニチャーについてです。参考に、案内人が横断するアパートの一室を。

天井からは Poul HenningsenのArtichokeがぶら下がり、Arne JacobsenのNO.4130(通称Grand Prix Chair)5脚がぐるりとテーブルを囲み、読書にぴったりなコーナーにはPoul VoltherのCorona ChairとArne JacobsenのFloor Lampが並びます。手前の三次曲面の美しいチェアは「これこそが椅子である」と力強く主張する、H.J.WegnerのThe Chair。すべて名作と呼ばれる、デンマークのデザイナーによる製品です。

世界各地のミュージアムを巡って椅子の実測&図面化をしたOle Wanscher(オーレ・ヴァンシャー)の功績にあずかり、私も大学時代にたくさんの椅子の資料を見ましたが、やはりデンマークの椅子に惹かれてしまいます。その木工技術と圧倒的な造形力。職人とデザイナーの結びつきが堅牢であるからこそ実現する椅子の美しさといったら!特にArne JacobsenとFinn Juhlの作り出す形が大好きです。

1700年代前半の重厚で荘厳でゴリゴリなバロックから、1900年代半ばのモダンへの移行は、今後さらに丁寧に検証していきたいと思っています。当時、モダンデザインの思考と形に触れ、冷たさゆえの抵抗感を感じた人も多いと思いますが、軽やかな解放感もきっと感じていたはずです。近代建築のガラスファサードの実現は、日照の少ない北欧ではさぞやその機能と魅力をフルに発揮しているんだろうな、と思いますし。このあたりはデンマーク人の公共観も関わってきますね。

 

"Carlsberg" via Carlsberg - The Danish Way 60" ( http://www.carlsberg.co.uk/ )

“Carlsberg” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( http://www.carlsberg.co.uk/ )

ところで、カールスバーグは1847年に設立されたそうです。検証したいスパンのちょうど真ん中くらいの過渡期。しかしつくづく、デンマークの人たちと一緒にいると、ああ本当にビールが好きなんだなーとよく思います。これも歴史の大事な一要素ですね。

“Carlsberg” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

“Carlsberg” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

“Mads Mikkelsen as a modern-day Danish philosopher” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

“The best beer in the world? Prøbably” via Carlsberg – The Danish Way 60″ ( Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

と、ほとんど映像の内容に触れないまま、ひたすらダニッシュ・デザインについて興奮気味にリポートしました。デンマークの人々が幸福に暮らすヒミツ”THE DANISH WAY”については、Carlsbergのサイトでご確認くださいね。

 

【オマケ】

デンマークのモダンな建築も紹介したいなー、と思いながら別バージョンを観てみたら、Christensen & Co Architects設計のAsserbo houseが使われてました!建築雑誌で見て「自然と一体になれる気持ちよさそうなサマーハウスだなー」と、眺めているだけで気持ち良い風を感じたのを覚えています。ここで過ごす夏なんて最高でしょうねー!

“Asserbo house by Christensen & Co Architects” via Carlsberg UK Limited http://www.carlsberg.co.uk/ )

 

Carlsberg “THE DANISH WAY”

→ http://www.carlsberg.co.uk/#!the-danish-way

 

 

店長カトー as Fannibal

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